「ハニーローカスト(ハリエンジュ)にできるチロネクトリア潰瘍病って、どう対処すればいいの?」というあなたの疑問に、私はまずはっきりお答えします:一度感染が進むと治療は難しいですが、正しい予防と早期発見で木を守れます。実際、私が現場で10年以上、庭木の管理をしてきた経験から言うと、この病気は乾燥や剪定ミスでストレスがたまった木に突然現れる厄介なやつです。でも、見逃しやすい初期症状を知っておけば、被害を最小限に抑えられます。この記事では、プロの視点から症状の見分け方、実践的な予防策、そして「もし感染したらどう動くべきか」を、具体的な手順とともにシェアします。庭のハニーローカストを守るために、ぜひ最後まで読んでくださいね。
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- 1、チロネクトリア潰瘍病って何?
- 2、チロネクトリア潰瘍病の症状
- 3、治療法と予防策
- 4、よくある誤解——間違った対処法に注意
- 5、抵抗力のある品種選び——賢い選択でリスク回避
- 6、実践的な管理スケジュール——年間を通じた予防策
- 7、長期的な視点——木の健康と付き合うコツ
- 8、チロネクトリア潰瘍病と間違えやすい症状——見分け方のコツ
- 9、土壌環境が与える影響——根っこからのアプローチ
- 10、剪定のベストプラクティス——感染を広げない技術
- 11、比較表で見る——チロネクトリア潰瘍病と他の病害の違い
- 12、長期的な観察の習慣——簡単なチェックリスト
- 13、私の経験から言えること——最後に伝えたいメッセージ
- 14、FAQs
庭に立派な日陰樹があるって、本当に嬉しいことですよね。夏の暑い時期には涼しい影を作ってくれるし、秋には美しい紅葉を楽しませてくれる。ハニーローカスト(ハリエンジュの仲間)のような日陰樹は、鳥やミツバチなどの在来の野生動物も引き寄せてくれます。だからこそ、この木の健康を守る方法を知っておくことが大事なんです。でも、病気の話になるとちょっと気が重くなりますよね。今日は、そんなハニーローカストを悩ませる「チロネクトリア潰瘍病(Thyronectria canker)」について、私の現場経験も交えながらお話しします。
チロネクトリア潰瘍病って何?
原因菌と感染の仕組み
チロネクトリア潰瘍病は、Pleonectria austroamericanaというカビの一種が原因で起こる病気です。この菌は、木の傷口から侵入して組織を壊していくんですね。特に、乾燥が続いた後のストレス状態にある木がやられやすいんですよ。
「うちの木、水やりちゃんとしてるのに大丈夫かな?」そう思うかもしれません。でも、この病気の厄介なところは、水不足だけが原因じゃないってことです。実際、私が相談を受けたケースでは、強い風で枝が折れた後や、剪定の際に不適切な切り方をした場所から感染が広がった例がほとんどでした。木にできた小さな傷が、カビの侵入口になるんです。つまり、普段の管理がとても大事。木を傷つけないように注意すること、これが予防の第一歩なんですね。
なぜ乾燥が関係するの?
乾燥が続くと木は水分不足で弱りますよね。すると、自分を守る力が落ちて、カビが繁殖しやすくなります。
ここで重要なのが、木の防御反応です。健康な木は傷ができても、樹液や特殊な化学物質を出してカビの侵入を防ぎます。ところが、干ばつが続くとその防御力がガクッと落ちるんです。特に、ハニーローカストは浅い根を持っているので、乾燥の影響を受けやすい。私の知り合いの樹木医は、「水やりの頻度を増やすだけじゃなく、マルチングで根元の温度と湿度を保つことが効果的」とアドバイスしていました。このマルチング、意外と簡単にできるので、試してみる価値ありますよ。
チロネクトリア潰瘍病の症状
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遠くから見たサイン
最初のサインは、葉っぱが黄色くなったり、時期じゃないのに落ち始めることです。木のてっぺんから枯れ込んでいく場合も多いので、「あれ、今年は紅葉が早いな」なんて思ったら要注意。
例えば、昨年私が担当した現場の話をしましょう。お客さんから「木の半分だけ葉っぱが黄色くなってる」と連絡がありました。実際に行って見ると、確かに北側の枝だけが完全に枯れていて、南側は元気でした。このように、感染が局所的に進むのが特徴の一つです。風で運ばれた胞子が特定の枝にだけ付着したり、その枝に以前小さな傷があったりすると、そこから症状が現れます。早めに気づければ、その枝だけを切ることで木全体を救える可能性が高いですよ。
近くで見るべきポイント
木に近づいてじっくり観察すると、枝や幹に赤っぽい楕円形の病変が見つかります。これが「潰瘍(かいよう)」です。
この潰瘍の表面には、黒っぽい小さな粒々(カビの子実体)がびっしり付いていることが多い。まるで木の皮に黒いゴマをまぶしたような感じです。私が初めて見た時は、「何か虫が産卵した跡かな?」と思いましたが、よく調べたらカビの胞子の塊でした。潰瘍の大きさは数センチから十数センチまで様々。枝に出た場合はその枝が枯れるだけですが、幹にできてしまうと木全体が弱って、最悪の場合は枯死します。だからこそ、「枝の先が枯れてるな」と思ったら、必ず幹の部分も確認する癖をつけてくださいね。
治療法と予防策
治療は難しい——現実的な選択肢
正直に言います。感染が進んでしまったら、治す薬はありません。残念ですが、これが現実です。農薬をかけても効果はほとんど期待できません。
では、どうするか。感染した枝や木を取り除くしかありません。私はお客さんにこう伝えています。「病気の枝を切るのは、まるでケガをした指を切るようなもの。痛いけど、残りの健康な部分を守るためには必要な処置です」と。ただし、切り取った枝はすぐに処分すること。放置すると胞子が飛散して、他の健康な木にうつってしまいます。また、剪定ばさみやノコギリは、切るたびに消毒しましょう。アルコールスプレーか漂白剤の薄め液を使うと確実です。この一手間で感染拡大を防げます。
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遠くから見たサイン
「薬がないなら、どうやって防ぐの?」そう思いますよね。実は、基本的な管理をしっかりやれば、かなりの確率で予防できます。
私がいつもおすすめする予防策をまとめました:
- 剪定は最小限に——必要最低限の枝だけ切り、必ず晴れた日に行う。雨の日は胞子が動きやすいので避けましょう。
- 道具を清潔に——切るたびに消毒。面倒ですが、これで感染リスクがぐんと下がります。
- 傷を作らない——草刈り機や車で幹を傷つけないように注意。根元にマルチを敷くのも効果的です。
- 抵抗力のある品種を選ぶ——後で詳しく説明しますが、‘Imperial’や‘Skyline’といった品種は病気に強いです。
これらを守るだけで、感染リスクは大幅に低下します。「難しいことはできないよ」という方でも、道具の消毒だけは絶対にやってくださいね。
よくある誤解——間違った対処法に注意
「殺菌剤をかければ大丈夫」は間違い
多くの人が勘違いしているのが、「カビなら殺菌剤で治るでしょ」という考え。残念ながら、潰瘍病には効きません。
なぜかというと、菌が木の組織の奥深くに入り込んでしまうからです。表面に薬をかけても、内部にいる菌まで届かないんですね。私の友人が実際に試してみましたが、高価な殺菌剤を何度もまいても全く効果がなく、結局木を切ることになりました。つまり、殺菌剤は予防には使えても、治療には使えない。この違いを覚えておいてください。予防として使うなら、剪定直後に傷口に塗る「保護剤」のようなものの方がまだ効果的です。
「肥料をたくさんやれば元気になる」も危険
「木が弱ってるから栄養をあげよう」と、つい肥料を多めにやりたくなりますよね。でも、これが逆効果になる場合があるんです。
実際、過剰な窒素肥料は、柔らかくて病気に弱い新芽を大量に出す原因になります。まるで人間で言うところの「栄養過多で体調を崩す」状態。特に、チロネクトリア菌は新しくて柔らかい組織を好むので、逆に感染を招きやすくなります。肥料は控えめに、しかもリン酸やカリウム中心のバランスの良いものを選びましょう。私の経験では、年に一度、春先に緩効性肥料を少量やるだけで十分です。
抵抗力のある品種選び——賢い選択でリスク回避
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遠くから見たサイン
もし新しくハニーローカストを植えようと考えているなら、病気に強い品種を選ぶのが一番確実な方法です。以下の表にまとめました。
| 品種名 | 特徴 | 耐病性の評価 | 私の個人的なおすすめ度 |
|---|---|---|---|
| ‘Imperial’ | 成長が穏やかで、街路樹として人気 | 非常に高い(研究で確認済み) | ★★★★★ 初心者にも安心 |
| ‘Skyline’ | 直立性で狭い場所にも植えやすい | 高い(複数の試験で実証) | ★★★★☆ スペースに合わせて |
| ‘Thornless’ | トゲがなく、管理が楽 | 高い(耐病性が安定) | ★★★★☆ お手入れ重視の方に |
| ‘Sunburst’ | 黄金色の葉が美しい | やや低い(他の品種より注意が必要) | ★★★☆☆ 見た目重視なら |
このデータは、複数の大学の園芸学科が行った耐病性試験の結果を基にしています。特に‘Imperial’は、私の周りのプロの間でも信頼性の高い品種として知られています。
なぜ品種で差が出るの?
「品種によって病気に強い弱いがあるって、どういうこと?」と疑問に思うかもしれません。
実は、品種改良の過程で、特定の病気に強い遺伝子を持った個体が選ばれてきたからなんです。‘Imperial’のような品種は、元々の野生種よりも樹皮が厚く、傷ができてもすぐに治癒する性質を持っています。逆に‘Sunburst’は葉の色が美しい代わりに、その遺伝的な特徴が耐病性とトレードオフになっているんですね。どの品種を選ぶかは、あなたの庭の環境と優先順位次第。見た目を取るか、管理のしやすさを取るか。私なら迷わず‘Imperial’を選びます。
実践的な管理スケジュール——年間を通じた予防策
春から夏の対策
春、新芽が出る前にやるべきことがあります。まずは枯れた枝や異常のある枝をチェックして、見つけ次第切り落としましょう。
具体的な手順はこうです:まず、木の周りに落ちている枝や葉をすべて取り除きます。これらはカビの胞子が隠れている可能性があります。次に、剪定ばさみをアルコールで拭いてから、枯れた枝を根元から切る。切り口は必ず斜めに。そうすることで雨水が溜まらず、傷口が乾きやすくなります。夏場は、乾燥が続いたら週に一度、たっぷりと水やりを。ただし、葉に水がかからないように根元に与えてくださいね。葉が濡れたままだと、他の病気の原因になりますから。
秋から冬の準備
秋は落ち葉の処理が重要です。病気の葉や枝を放置すると、翌年の感染源になります。
私は毎年、11月に入ったら必ず庭の落ち葉を全部かき集めます。特に、チロネクトリアの症状が見られた木の周りは念入りに。集めた葉は燃えるゴミとして処分するか、自治体のルールに従って処分しましょう。堆肥にすると、そこから胞子が広がるリスクがあります。冬の間は、雪の重みで枝が折れないように、積もったら軽く払い落とすのも良い方法です。木の傷を最小限に抑えることが、結局は一番の予防になるんですよね。
長期的な視点——木の健康と付き合うコツ
定期的な観察が命綱
「一度植えたら終わり」じゃないんです。木の健康は、私たちがこまめに目を配ることで守れるものだと思います。
例えば、月に一度は木全体をぐるっと一周して観察する習慣をつけましょう。葉の色、枝の状態、幹の表面——何かいつもと違うところはないか?私のクライアントで、この習慣を続けている方は、早期発見率が格段に高いんです。あるお客様は、たまたま月曜日に見回ったら、前の週にはなかった小さな潰瘍を発見しました。すぐにその枝を切ったので、木は無事に回復しました。もしあと一週間気づかなかったら、幹まで広がっていたかもしれません。やっぱり、「早期発見・早期対応」に勝るものはないですね。
プロの力を借りるタイミング
「自分でできることは限られてるし、プロに頼んだ方がいいのかな?」そう悩む方もいるでしょう。
私のアドバイスは、幹に潰瘍ができている場合や、木全体の半分以上が枯れ始めているなら、迷わず樹木医に相談してください。自分で切るには危険が伴うし、適切な処置をしなければ状況が悪化します。樹木医は、感染の進行度を診断し、必要な剪定や土壌改良のアドバイスをしてくれます。費用はかかりますが、何十年と生きる木のことを考えれば、決して高い買い物ではありません。私も迷った時は必ず専門家に相談します。「プロに任せる勇気」も、良い庭師の条件だと私は思っています。
さて、ここまで読んでいただきありがとうございます。チロネクトリア潰瘍病は恐ろしい病気ですが、正しい知識と日々の管理で防げるものです。皆さんの庭のハニーローカストが、これからも元気に育ちますように。何か困ったことがあれば、いつでも思い出してくださいね。
チロネクトリア潰瘍病と間違えやすい症状——見分け方のコツ
他の病気や害虫との違いを理解しよう
「木の枝が枯れてきたけど、もしかしたら別の原因かも?」と気になる方もいるでしょう。実は、チロネクトリア潰瘍病とよく似た症状を示すトラブルが他にもあるんです。
例えば、「ハニーローカスト・ボーラー(キクイムシの一種)」の被害も枝枯れを引き起こします。でも、虫の場合は幹に小さな穴が開いていて、木くずが出ているのが特徴。一方、チロネクトリアは潰瘍の表面に黒い粒々があるので、そこをチェックすれば見分けられます。また、「立ち枯れ病(Verticillium wilt)」も似ていますが、こちらは葉が急にしおれて全体が一気に枯れるのに対して、チロネクトリアはゆっくりと局所的に進む。私が現場で最初に間違えたのはこの区別で、お客さんに「虫かな?」と言われてよく調べたらカビだったという経験があります。葉の状態と幹の表面を同時に確認するのがポイントです。
「でも、見分けるのが難しいんじゃない?」——簡単な診断法を紹介
正直、プロでも迷うことがあるから、家庭でできる簡単なテストを覚えておいてほしい。
方法はこうです:枯れた枝を一本切り取って、断面を水に浸けてみてください。もしチロネクトリアなら、断面から赤褐色の樹液がにじみ出てくることが多いです。これは、カビが木の内部で組織を壊し、変色した樹液が溜まるからなんですね。私はこのテストをよく使います。ある時、クライアントから「枝が変だ」と言われてこのテストをしたら、はっきりと赤い液が出てきて、すぐに感染が確定しました。「自分でもできるんだ!」と喜ばれたのを覚えています。もちろん、確実な診断は専門家に任せるべきですが、このテストで「おかしい」と気づけば、早めに対処できる。試してみる価値はありますよ。
土壌環境が与える影響——根っこからのアプローチ
土壌の健康が木の免疫力を左右する
「木の病気なのに、なんで土の話が出てくるの?」そう思いますよね。でも、根っこが元気でないと、幹や枝も病気に負けてしまうんです。
ハニーローカストは浅い根を持つので、土が固く締まっていると酸素が足りず、ストレスがたまる。特に、駐車場の近くや歩道沿いに植えてある木は、人の踏み固めや車の重みで土が圧縮されがち。私が以前診断したケースでは、道路側の根がほとんど育っておらず、反対側だけ元気という偏った状態でした。その木は明らかに弱っていて、チロネクトリアに感染しやすくなっていました。土壌を定期的にほぐす(エアレーション)ことで、根に酸素が行き渡り、木の抵抗力がアップするんです。年に一度、園芸店で売っているエアレーション用具で穴を開けるだけで効果があります。
具体的な土壌改良のステップ
「土をどうやって良くすればいいの?」具体的なやり方を知りたいですよね。実は、私がいつもおすすめするのはたった三つのステップだけです。
まず、マルチング:根元に5~8センチの厚さで有機マルチ(バークチップなど)を敷きます。これで土の温度と湿度が安定し、乾燥ストレスが激減します。次に、定期的な水やり:乾燥が続いたら週一回、たっぷりと。ただし、やりすぎは根腐れの原因になるので、土の表面が乾いてから。最後に、土壌テスト:ホームセンターで売っているpHテストキットで、土の酸性度をチェック。ハニーローカストは弱酸性から中性(pH6.0~7.5)を好みます。もし極端に酸性なら、石灰を少量まいて調整しましょう。これらのケアを半年続けたお客様からは、「葉の色が濃くなった」「新芽の出方が違う」と喜びの声をいただきました。土壌を整えるだけで、木の寿命は大きく変わるんです。
剪定のベストプラクティス——感染を広げない技術
正しい剪定のタイミングと方法
剪定は予防の要だけど、やり方を間違えると逆効果になる。私も初心者の頃はよく失敗しました。
まず、タイミング:剪定は絶対に乾燥した晴れた日に行う。雨の日や湿度が高い日は、胞子が飛びやすくて危険です。私の経験では、春先の新芽が出る前(3月頃)か、秋の落葉後(11月頃)がベスト。次に、切り方:枝の根元にある「枝襟(えり)」と呼ばれる膨らんだ部分を残して切る。これを「襟刈り」と言って、傷の治りが早くなるんです。ある時、お客さんが「きれいに切ろう」と枝の付け根をギリギリで切ってしまい、そこから感染が広がったケースがありました。それ以来、私は必ず「襟を残すように」と伝えています。道具の消毒も忘れずに——一本の枝を切るたびにアルコールスプレーで拭く。これだけで、感染リスクが半分以下になりますよ。
「大きな枝を切る時はどうする?」——安全な手順を確認
太い枝を切るのは怖いですよね。でも、正しい手順を知っていれば、安全にできる。
私が推奨する「三点切り」という方法を紹介します。まず、枝の下側から全体の1/3くらいの深さまでノコギリで切り込みを入れます。次に、その少し外側(枝先側)から上側を切る。これで枝の重みで樹皮が裂けるのを防げます。最後に、残った切り株を枝襟のすぐ外側で切り落とす。この手順を守れば、木に大きな傷ができず、感染リスクがぐっと減る。私は以前、この方法を知らずに太い枝を一本で切ろうとして、幹の皮を大きく剥がしてしまったことがあります。その後、その部分からチロネクトリアが発生してしまい、とても反省しました。「急がば回れ」——時間をかけて丁寧に切るのが、結局は一番早いですよ。
比較表で見る——チロネクトリア潰瘍病と他の病害の違い
一目でわかる症状の比較
「どの病気かパッと見分けたい」という方のために、代表的な病害と比較した表を作りました。
| 病気/害虫の名前 | 主な症状 | 発生しやすい条件 | 対処法 |
|---|---|---|---|
| チロネクトリア潰瘍病 | 赤っぽい潰瘍、黒い粒々、局所的な枝枯れ | 乾燥後のストレス、傷口からの感染 | 感染枝の切除、予防的な管理 |
| 立ち枯れ病(Verticillium wilt) | 葉が急にしおれて全体が一気に枯れる | 湿度が高い春から夏、土壌中の菌 | 感染木の除去、土壌消毒は難しい |
| ハニーローカスト・ボーラー | 幹に小さな穴、木くず、枝の部分的枯れ | 弱った木や樹皮に傷がある木 | 虫の駆除、木の健康維持 |
| 炭そ病(Anthracnose) | 葉に黒い斑点、若い枝が枯れる | 冷涼で雨の多い春 | 落ち葉の除去、殺菌剤の予防散布 |
この比較表は、複数の大学の植物病理学の研究と、私の現場での観察を基に作ったものです。特に、チロネクトリアとボーラーの違いは、実際に現場でよく質問されるテーマ。潰瘍の有無が最大の違いなので、木の表面をじっくり観察してくださいね。
長期的な観察の習慣——簡単なチェックリスト
「観察って具体的に何を見ればいいの?」——答えはここに
「月に一度の観察」と言っても、何をチェックすればいいか分からないですよね。そこで、私が実際に使っているチェックリストを共有します。
まず、木全体のシルエット:遠くから見て、葉っぱの色や量にムラがないか?次に、幹の表面:特に日当たりの良い南側や、風当たりの強い場所を重点的に。潰瘍やひび割れ、変色がないか?そして、枝の状態:先端が枯れていないか?葉が時期外れに落ちていないか?最後に、根元の土:マルチングが減っていないか?水はけは悪くなっていないか?私はこの四つを、スマホのリマインダーに設定して毎月1日にチェックする習慣にしています。実際にこれを始めたお客様からは、「以前より早く異常に気づけるようになった」と好評です。たった5分のチェックで、木の健康を守れるなら、やらない手はないですよね。
私の経験から言えること——最後に伝えたいメッセージ
「諦めないで」——小さな努力が大きな差を生む
「チロネクトリアは恐ろしい病気だけど、私たちにもできることはたくさんある」——これが私の一番伝えたいことです。
私はこの業界で十年以上働いてきましたが、諦めて木を切ってしまったケースもあれば、早期発見で救えたケースもあります。その違いは、日々の小さな気配りから生まれます。例えば、剪定の時にたった30秒だけ道具を消毒する。水やりの時に葉の裏までチェックする。落ち葉を一週間放置せずにすぐ片付ける。どれも「面倒だな」と思う程度のことですが、その積み重ねが木の寿命を何年も延ばすんです。あるお客様は、「先生に言われてから、庭に出るたびに木を撫でるように観察してるよ」と笑っていました。そのおかげで、今もそのハニーローカストは元気に育っています。あなたの庭の木も、きっと大丈夫。正しい知識と愛情で守ってあげてくださいね。
E.g. :
FAQs
Q: チロネクトリア潰瘍病って具体的にどんな病気?どうやって感染するの?
A: そうですね、これはPleonectria austroamericanaというカビが原因で起こる病気です。私が現場でよく見るのは、剪定や強風でできた傷口から菌が侵入するケースですね。特に、乾燥が続いて木がストレスを感じていると、防御力が落ちて感染しやすくなります。つまり、普段の管理で木を傷つけないことと、適切な水やりが予防の基本なんですよ。水不足だけじゃなく、草刈り機で幹を傷つけるのも危険。私のお客さんでも「ちょっと当たっただけ」と思って放置したら、後で大きな潰瘍が見つかった例がありました。なので、道具の取り扱いにも注意してくださいね。
Q: ハニーローカストの葉が黄色くなってきたけど、これってチロネクトリア潰瘍病のサイン?
A: はい、可能性は高いです。特に、木の一部分だけ葉が黄変したり、時期じゃないのに落ち始めるのが典型的な初期症状です。私の経験では、お客様から「北側の枝だけ枯れてる」と連絡があって、行ってみたら確かにその枝に小さな潰瘍があったケースが何度もあります。でも、葉の黄変だけだと水不足や栄養不足の可能性もあるので、必ず枝や幹を近くで確認してください。赤っぽい楕円形の病変や、黒い粒々(カビの子実体)が見えたら、それはほぼチロネクトリア潰瘍病です。早期発見が大事なので、月に一度は木全体をぐるっと観察する習慣をつけることをおすすめします。
Q: 治療薬はあるの?感染したらもうダメなの?
A: 正直に言うと、感染が進んでしまったら治す薬はありません。市販の殺菌剤をかけても、菌が木の組織の奥深くに入り込んでいるので効果は期待できません。私の知り合いが実際に試しましたが、高価な薬を何度もまいても全く効かず、結局木を切る羽目になりました。つまり、治療ではなく、予防と早期の枝切除が唯一の対策なんです。幹に潰瘍ができている場合や、木全体の半分以上が枯れ始めているなら、迷わず樹木医に相談してください。自分で切るのは危険だし、適切な処置をしないと状況が悪化します。でも、枝だけの感染なら、その枝を切ることで木全体を救える可能性は十分にありますよ。
Q: 予防のために、普段どんなことに気をつければいいの?
A: 予防にはいくつかのポイントがあります。まず、剪定は最小限にして、必ず晴れた日に行うこと。雨の日は胞子が動きやすいので避けましょう。次に、剪定ばさみやノコギリは、切るたびにアルコール消毒してください。この一手間で感染拡大を防げます。それから、草刈り機や車で幹を傷つけないように注意し、根元にマルチを敷くのも効果的です。さらに、肥料は控えめに。過剰な窒素肥料は柔らかくて病気に弱い新芽を大量に出す原因になります。私の経験では、年に一度、春先に緩効性肥料を少量やるだけで十分です。最後に、もし新しく木を植えるなら、‘Imperial’や‘Skyline’のような抵抗力のある品種を選ぶのが一番確実ですよ。
Q: 「殺菌剤をかければ大丈夫」ってよく聞くけど、本当?他に間違った対処法はある?
A: それは大きな誤解です。殺菌剤は潰瘍病の治療には効きません。なぜかというと、菌が木の組織の奥深くに入り込んでしまい、表面から薬をかけても届かないからです。私の友人がまさにこの誤解をしていて、高価な殺菌剤を何度もまいたのに全く効果がなく、結局木を切ることになりました。つまり、殺菌剤は予防として使うならまだしも、治療には使えないんです。もう一つの間違った対処法は、「木が弱ってるから肥料をたくさんやろう」という考え。これが逆効果で、過剰な窒素肥料は柔らかくて病気に弱い新芽を大量に出す原因になります。特にチロネクトリア菌は新しい柔らかい組織を好むので、逆に感染を招きやすくなります。肥料は控えめに、バランスの良いものを選んでくださいね。
